recommend矯正治療メニュー

外科的矯正治療

Overview難しい症例に対応する、手術併用の矯正治療

他科専門医との連携で行う治療に「外科的矯正治療」があります。 外科的矯正治療は、手術を併用する矯正治療ですが、一般的な矯正歯科では治療しきれない難症例や、骨格性の改善までも対応します。 独自のネットワークを確立した永田矯正歯科だからこそ可能な治療です。

Key Points要旨・メリット

01.治療計画の中に口腔外科医による手術を併用

外科的矯正治療で扱う症例は、不正咬合が歯そのものだけではなく、あごの骨格的な問題にまで及んでいるものです(顎変形症)。 つまり骨組み(骨格性)が原因で上手く咬めない場合に外科的矯正治療を行います。

これらは『矯正歯科医院・総合病院』 で『治療・手術』が可能なのです(入院、手術、矯正治療とも保険適用)。 患者様の治したいところとリスクを考慮し、矯正歯科医の判断により提案します。

また美容整形ではありませんが、咬む/話すという機能的改善を一番の目的に行う結果、外見の改善も達成できます。

02.美容整形は審美性を最重視。しかし、歯並びはそのまま

これらの症状は、『美容整形で大金をかけないと改善できない』と考えられている方がほとんどです。美容整形は審美性を最重視して治療を行いますので、顔が綺麗になります。 しかし、歯ならびはそのままです。

美容整形で行う手術は、例えばあごが小さければシリコンを挿入、あごが大きければその部分を切る、という具合で、多くの場合併発している『歯列不正』の根本問題はまず改善しません。
また美容整形では かみ合わせ/歯ならびが悪い場合、健康な歯を削ってセラミックでカバーする必要がありますので、歯にとっても好ましくはありません。

03.通常の矯正治療を超える「外科的矯正治療」

通常の矯正治療で骨格性の不調和をカムフラージュすることも可能ですが、限界があります。

永田矯正歯科では『歯列不正』の根本問題を口腔外科の専門医と連携し、一般的な矯正歯科では治療しきれない難しい症例や、骨格性の改善に対応します。

Learn More~外科的矯正治療~美容整形を超えた治療

外科的矯正治療で対応する症例

  • 骨格性上顎前突(出っ歯)
  • 骨格性下顎前突(受け口)
  • 骨格性開咬(前歯が咬めない)
  • 顎偏位(顔が歪んでいる)
  • 骨格性上下顎前突(オトガイ後退)
[ 治療例1 ]

口元が前方に突出し、あごは後退して首とつながっています。あごを手術で前に出し、矯正にて歯の前突をなくしました。

[ 治療例2 ]

受け口のため顎が出ています。最も多い外科的矯正治療症例です。あごのラインを整え、受け口を改善させました。

外科的矯正治療のデメリット

  • 全身麻酔が必要である
  • 出血が多くなると、輸血の可能がある。しかし大概は貯血といって自分の血液を前もって貯めておき、自分の血液を自分に戻すことでまかなえることが多い
  • 術後、痺れが出ることがある
  • 術後、顔がアンパンマンのように腫れることがある
  • 顎間固定や、顎間ゴムが必要である
  • 術前矯正が必要(1年半ぐらい)である。
  • 一時的にかみ合わせが悪くなるため咬みにくい時期がある

外科的矯正治療の手術連携病院

永田矯正歯科では矯正治療だけでは対応できない難症例の治療のために、口腔外科の専門医と連携して、より安心な治療を行っています。

大阪けいさつ病院

大阪でも屈指の口腔外科のある病院です。院長永田が現在も非常勤医師として勤務しています。

大阪けいさつ病院

治療費について

外科的矯正治療は矯正・手術とも保険適用となります。

  • 矯正治療:保険適用にて患者様負担は約30万円(症状により異なります。)
  • 外科手術:高額療養費制度適用にて患者様負担は8~9万円(*)

高額療養費制度 は患者様の年齢や世帯所得により適用される額が異なります。
詳しくは社会保険事務所にてお尋ねください。手術、入院が月初め~月末にて完了されるものとして表記しています。

顔立ちまで変わる?

外科手術を併用した矯正治療を行うと、顔立ちまで変わる(改善する)ことがよくあります。しかしこれはあくまで咬合機能不全の治療の結果として得られるものであり、顔立ちを変えるために手術を行うことはできません。また、手術に伴うリスクもありますので、納得いくまでご相談の上、治療法選択を行って下さい。

Cases外科的矯正治療での治療例

主訴
前歯で噛めない。オトガイの後退
装置
エッジワイズ装置、TPA、アンカースクリュー 、外科的矯正
年齢(性別)
32才(女性)
治療費
保険治療(矯正概算30万円、入院手術を入れて40万円から50万円)
治療期間
36ヶ月
抜歯部位
上下顎両側第一小臼歯
Before

左下の奥歯が痛くなり一般歯科を来院したところ、歯ならび・かみ合わせが悪いため矯正が望ましいと当院に来院されました。
お口の中を診査したところ、著しいガタガタ(叢生)と、奥歯4本しか噛み合っていない開咬状態。横から見た口元(側貌)は下顎骨の先端部(オトガイ)が後退した状態でした。検査を行い、骨格から治療する外科的矯正治療が不可欠と診断しました。上下の両側第一小臼歯を抜歯し、1年半の術前矯正、手術は上顎の後ろの骨を削り形の調整、下の小さな顎を前へ大きく調整、オトガイの形を調整するプランとしました。

During1上顎ブラケット装着

まず、上顎から治療開始です。奥歯が動かないように顎内固定装置(TPA) を装着後、エッジワイズ装置装着、舌側転位している歯の改善を開始しました。

During2下顎ブラケット装着

上顎は少しデコボコが改善、下顎も両側第一小臼歯(前から数えて4番目の歯)を抜歯し、エッジワイズ装置装着しました。

During3術前矯正終了

上下顎ともに叢生が改善、横幅の調整を行い、術前矯正が終了です。この状態では全く咬めていませんが、これは骨格的な問題を外科的な手術で改善するために意図的にこうなっています。

During4術後矯正治療

上下の顎に手術を施した後の様子です。手術後1週間は顎がずれないように針金で固定します。この間は口が全く開きませんので流動食か点滴で栄養をとります。入院期間は2週間前後です。術後1週間ぐらい経過しますと針金からゴムに変更しますが、ご飯を食べる時と歯ブラシの時以外はしっかりゴム掛けが必要です。サボると顎がずれてしまいます。3ヶ月ぐらいで安定してきます。

After

開咬、叢生ともに改善。しっかり噛めるようになりました。

横顔のバランスに注目してください。治療前が青線、治療後が赤線です。後退していたオトガイの位置が大きく改善しています。外科的矯正治療はリスクを伴う大変な治療ですが、適切な治療を行えば咬合改善のみでなく顔貌の改善も可能となります。

Finish仕上がり

※治療例はあくまでこの症例に対するものであり、症状により治療に適した装置・治療期間・治療経過は異なります。詳しくはカウンセリングにてご相談下さい。

※外科的矯正治療での治療による、リスク、副作用としては下記の点があります。
・装置交換当日から2-3日、噛み合わせると違和感(歯が浮いたような感じ、噛むと痛い)がある。
・数日、歯がしみることがある。
・歯根吸収の可能性、骨レベル低下の可能性、虫歯の可能性がある。
・全身麻酔のリスク、出血が多くなると輸血の可能性、術後の痺れ、術後1週間の顎間固定、それ以降3ヶ月間ぐらいの顎間ゴム固定が必要。